86歳、やっとひとり ~ 母の「サ高住」ゆるやか一人暮らし ~

「何も起きないのが何より」の母のたよりと、「おひとりさまシニア予備軍」(=私と妹)の付かず離れずの日乗。

#23 お引越し(その4)


【ここまでの展開】

「最期は(故郷)〇〇山の見えるホームで暮らすの💗 」 60代前半から”終の棲家”プランを持っていた母がついに行動に出た。気に入った施設も見つかり、いよいよ母の”移住”が始まる。


昨日の”プチ事故”を乗り越え、今日からいよいよ引越しの作業開始だ。


今回の基地である、”スーパー温泉併設のビジネスホテル”のツインルームで目覚めた私と妹は、朝食の時間に合わせて同フロアのシングルルームに母を訪ねる。
「オハヨー。ママよく眠れた?」「よく寝ましたよー。」昨日の転倒のことなど記憶にもないような”満面の笑顔”だ。
「私やっぱりホテルが好きだわ~。こんな田舎のビジネスホテルみたいなところでも、ホント落ち着けたしぐっすり眠れた。」


私はあらためて母の一貫した好みと、そのスタイルの徹底ぶりに心底感心してしまった。ああ、この人は本当に「一人暮らし」したがっているし、あの”ホテルライクな老人ホーム”での新生活にワクワクしているんだ。それを「終の棲家」プランとして有言実行してしまうんだから大したもの。ここは何としても無事引越しを完了して、安心して暮らせるよう送り出してあげないと。


今日からいよいよ大物の搬入や家電の設置が始まる。神様からのアラートに心を戒め、「母の安全第一」で事を進めねば。