86歳、やっとひとり ~ 母の「サ高住」ゆるやか一人暮らし ~

「何も起きないのが何より」の母のたよりと、「おひとりさまシニア予備軍」(=私と妹)の付かず離れずの日乗。

#24 お引越し(その5)


【ここまでの展開】

「最期は(故郷)〇〇山の見えるホームで暮らすの💗 」 60代前半から”終の棲家”プランを持っていた母がついに行動に出た。気に入った施設も見つかり、いよいよ母の”移住”が始まる。



日当たりのいいその部屋に、朝から次々運送屋さんや宅配便が到着し、手際よく設置を完了してゆく。こんな日の引越し作業は、業者さんも何だか楽しげだ。家具の位置を伝える妹や母の指示にも、気持ちよく応じてくれる。


大物のベッドやソファ、テレビが入るにつれ、そこは「箱」から「部屋」となり、タオルやら日常の食器を荷ほどきするうちに、母にとっての「私のお部屋💗 」になっていった。それは、初めてこの施設を見学したとき私の目に浮かんだ「母が楽しそうに暮らしている部屋」そのものだった。


搬入/荷ほどきが一通り終わると、足りないものを買いに「ニトリ」へ買い物に。テレビボード、絨毯、カーテン、衣装Box、etc.さすが新幹線停車駅だけあってニトリも大きい。良さげな商品を探し回るのは私たち”兵隊”に任せて、お母様はそのへんをプラプラ眺めたり椅子に腰かけてうたた寝をしている。


私がテレビボードのコーナーを探していた時のこと。近くにいた彼女が「可愛いでしょ 」と言うようにその辺にあったヌイグルミを抱いて、私に見せに来た。”この人テンション上がってるわ~”。あまりそういうことをする人ではないので、私も苦笑しつつそいつの頭を撫でてやった。


この日は母も絶好調で、「ニトリ」から更に「イオン」まで回ろうと言う。
ここで欲張ったのが後で後悔を生むことにもなるのだが。。。