86歳、やっとひとり ~ 母の「サ高住」ゆるやか一人暮らし ~

「何も起きないのが何より」の母のたよりと、「おひとりさまシニア予備軍」(=私と妹)の付かず離れずの日乗。

#12 ホーム見学ツアー(その2)


【ここまでの展開】

「最期は(故郷)〇〇山の見えるホームで暮らすの💗 」 60代前半から”終の棲家”プランを持っていた母からついに号令が下った。母私妹の3人は、2019GWに「ホーム見学ツアー」を決行する。



2件目訪問。


1件目を出て車で2~3分のところに次の施設があった。


こちらは要介護度高めだけあって、お見かけする入居者の方も年齢高めで車イス利用も多く、「あー、老人ホームに来たなあー」の感慨がある。
それでも「むーすーんで、ひーらーい~て♪」の声が響いていないことは、先ほどの施設と同様。それって何なんだ?我々の思い込み、それとも 偏見なのか?
大テーブルで車イスのおばあさんが、一人静かにクレヨンで絵を描いていた。大輪の赤い花の見事な絵だった。


居室は簡単なキッチンとトイレ設備付きの部屋もあるが、お風呂は全て共同。キッチン・バス・トイレ全く何もない部屋も多い。要は“すべて人の手を借りる”ことを前提とした施設ということだ。


旅の疲れもあり我々のテンションも下がってきたので、早々に失礼することにした。
「まっ、ここはママには早いわよねえ~。」
「部屋にトイレが無いなんてムリだわあ。私夜中に2回も起きるのに。」
「でもここの皆さんも、きちんと身ぎれいにしてたよねー。りっぱだわ。」
「おばあさん、絵上手だったねー。」


3人共、何となく明るい声を出そうとしている気がした。
「私達には関係ない」そんな思いを確かめ合うように。。。