86歳、やっとひとり ~ 母の「サ高住」ゆるやか一人暮らし ~

「何も起きないのが何より」の母のたよりと、「おひとりさまシニア予備軍」(=私と妹)の付かず離れずの日乗。

#20 お引越し



【ここまでの展開】

「最期は(故郷)〇〇山の見えるホームで暮らすの💗 」 60代前半から”終の棲家”プランを持っていた母がついに行動に出た。気に入った施設も見つかり、いよいよ母の”移住”が始まる。


私と妹がイタリア旅行から戻り、いよいよ母のホームへの引越し準備が大詰めに入った。


準備といってもほとんど母本人と、同居している私の妹がやってくれるので、私に大した仕事はない。一つ意外であり大いに楽チンだったのは、「住民票の移動」が必要なかったことだ。


母のホームがある地域は高齢者用住宅施設を積極的に誘致しているようだが、入居者については”元の住所に籍を置いたまま”移住ができる。年金生活者からの税収よりも、地場の労働需要や関連産業の拡大に期待した対応なのだろう。母が住んでいる都内のマンションにはそのまま妹が残ることから、移住によるお役所手続きやその他もろもろ「住所変更」の手間がすべて省けてしまった。


これには随分助かったし、万一ホームが合わなかった場合の「やっぱり、やーめた」の心理的ハードルも思い切り低い。
「ママ、やだったらいつでも帰っておいで~」私と妹のお気楽なノリに、母も「そーよね、そーよね」と笑って応じる。


それもこれも母の健康状態や生活能力に「緊急性」が全くないことが大きい。何度も書くことになるが、本人が「選択肢」や「選択の権利」がある内に行動を起こしてくれた母の「先手必勝」の慧眼に感謝するばかりだ


さて、長くなりそうなので “引越し本番”の話は次回から。