86歳、やっとひとり ~ 母の「サ高住」ゆるやか一人暮らし ~

「何も起きないのが何より」の母のたよりと、「おひとりさまシニア予備軍」(=私と妹)の付かず離れずの日乗。

#27 コミュニケーションツール


【ここまでの展開】

「最期は(故郷)〇〇山の見えるホームで暮らすの💗 」 60代前半から”終の棲家”プランを持っていた母がついに行動に出た。気に入った施設も決まり、引越しを経ていよいよ母の”新生活”が始まる。



友人から「LINEは絶対教えといた方がいい」とアドバイスがあった。


海外に住む彼女にとって、LINEは日本の親御さんとの最強のコミュニケーションツールだと言う。スマホが初めてだったお母様もLINEにはすんなり馴染めて使いこなしているそうだ。


ガラケーさえ持っていない母にどうかと思いつつ妹に話すと、「確かにLINE使ってくれたら便利だよねー」と乗り気だ。取り敢えずスマホを持たせ、慣れてきたらLINEを教え込む作戦が決まった。


母には「いつでも連絡が取れるように」と、スマホ契約の交渉に成功。引越しまでに何とか電話の使い方まで覚えて貰った。幸いこれが意外にも好評で、「音がとっても良く聴こえるのよー。家の電話よりずっといいわ」と大満足だった。


少し耳が遠いことから、母は電話を面倒臭がるところがあり、私から掛けても用件以外ほとんど会話させて貰えなかった。それがスマホになって以来、N県にいる母と毎週おしゃべりを楽しんでいる。遠距離になったはずが、むしろ身近に感じるのだから不思議なものだ。その上、母から聞く日々の様子の面白さが昂じてこのブログを始めてしまったのだから感謝は尽きない。


一方、妹は妹で母との「お手紙」のやり取りを楽しんでいると言う。事務的な連絡も少なくない彼女にとって、同封されて来る「拝啓」に始まり「かしこ」に終わる母からの手紙は新鮮で、彼女も写真など同封しながら手紙で返す。ここにも古くて新しいコミュニケーションが生まれているようだ。


さてLINEの方だが、こちらは中々進みそうにない。薦めてくれた友人のところもそうだが、高齢者のLINE活用の最大のモチベーションは「孫」ではないだろうか? 孫の写真を受け取ったり、孫と直接やりとりするのにLINEが欠かせない。「マゴ無し」の我が家とはモチベの大きさが違うのだ。


まあ、我が家は当面「お電話」と「お手紙」をたよりに、母との遠距離ライフを楽しんでいこうと思う。ICTの時代、こういう”温故知新”も悪くない。